クレジットカード現金化が法律違反なのか徹底分析
クレジットカード現金化を利用する際に気になるのは、法律違反ではないかどうかということです。
クレジットカード現金化にはグレーなイメージがありますし、逮捕された業者もいます。
そのような方法で現金化を行い、自分も罪に問われてしまえば大変なことになります。
本稿では、疑問に応えるために、クレジットカード現金化と法律の関係を解説していきます。
広まりつつあるクレジットカード現金化
最近、インターネットの情報などで、「クレジットカード現金化」という単語を見かけることが多くなった気がします。
これは、クレジットカード現金化という資金調達の方法が広く認知されてきている証拠であると言えるでしょう。
私はクレジットカード現金化に携わって2年になりますが、2年前と比較して情報サイトの数、業者の数、利用者の数などが明らかに増加していると感じています。
このような時代の流れの中で、嘆くべきは悪質業者の増加です。
どのような業界でも悪質業者を完全になくすことはできないものですが、全体的な業者数が増えていくにつれて、悪質業者の割合が小さくなることが望ましいことは言うまでもありません。
クレジットカード現金化の業者数に関するデータなどはないためあまり明確なことは分かりませんが、悪質業者の割合が小さくなっている、あるいは悪質業者の数が減少しているといった情報は聞いたことがありません。
もっとも、ことさら悪質業者が多くなっているという情報も聞かないことが救いなのですが・・・。
クレジットカード現金化という手段自体は悪いものではありません。
法的にグレーな部分はありますし、悪質業者の存在も気になる所です。
しかし、優良業者もたくさん存在し、そのような業者に現金化を依頼すればしっかりと現金を手にすることができるため、当座の資金に困っている人が助けられるシーンも確かにあるのです。
正直な換金率で運営をしているクレカ現金化業者
したがって、クレジットカード現金化は優良業者を利用すれば吉、悪質業者を利用すれば凶であると言えます。
悪質業者を利用してしまうと、現金化できずに個人情報だけ詐取されたり、聞いていたよりもずっと少ない金額しか受け取れなかったりすることになります。
クレジットカード現金化を賢く利用するためには、クレジットカード現金化に関する法律を知り、法律や制度を知ったうえで、業者を選んでいくことが求められます。
そこで、本稿ではクレジットカード現金化に関する法律である「古物商法」と「景品表示法」について解説していきます。
また、法律問題が絡んできたときに、利用者と法律の関係も気になることでしょうから、その点にも触れていきます。
クレジットカード現金化と法律
皆さんも、クレジットカード現金化と法律の関係を考えたことがあるかもしれません。
ある情報サイトでは「クレジットカード現金化は合法です」といわれ、またある情報サイトでは「クレジットカード現金化は違法です」と言われています。
また、弁護士まで起用して「クレジットカード現金化はグレーであり、違法性を問うことは難しいでしょう」と言ったり、「クレジットカード現金化は違法です」と言ったり、情報が錯綜しています。
クレジットカード現金化に関する情報収集はほとんどをインターネットに頼ることになるのですから、インターネットの情報が混乱していれば利用者が迷うのも無理はありません。
どうしてネット情報がこのような状況になっているのでしょうか。
これは、どちらかの情報が完全に間違っているとは言えず、「業者によって違法であるし、合法でもある」ということが原因と言えます。
したがって、皆さんは合法の業者を利用したいと考えていることでしょうが、取引する業者を間違えれば違法な取引をすることになってしまうかもしれません。
違法な取引をしてしまうと、利用者も裁かれてしまうのかといったことも、気になるところでしょう。
一昔前のクレジットカード現金化といえば、取引方法は買取方式だけでした。
しかし、インターネットが普及し、ネット上で無店舗で運営される業者が増えてからというもの、キャッシュバック方式で現金化する業者が多くなっています。
買取方式とは、利用者に換金性の高い商品を買うように指示し、利用者がクレジットカード決済で買ったそれらの商品を買い取ることによって現金化を行います。
そして、現金化業者はそれをさらに専門業者に売ることで利益を得ています。
一方キャッシュバック方式とは、利用者に対してキャッシュバック特典付きの商品を買うよう指示し、利用者がクレジットカード決済で買ったならば、キャッシュバック相当分の現金を振り込むというものです。
この二つの方法には、それぞれ異なる法律が絡んでいます。
買取方式では古物商法、キャッシュバック方式には景品表示法が関係しています。
買取方式と古物商法
古物商とは、他人の所有物を買い取って転売することによって利益を得る商売のことであり、古物商を行うためには古物商許可証を取得する必要があります。
古物商許可証は古物商法を遵守しながら営業することを条件に発行されるものです。
有名な会社にも、古物商はたくさんあります。
古本を売るブックオフ、中古家電や家具を扱うハードオフなどは代表的なものですし、金券を買い取って転売する全国の金券ショップ、中古ゲームや中古CD・DVDなどを扱っているお店も全て古物商です。
つまり、消費者から様々な商品を買い取り、それに利益を載せて売っているのですから、古物商になるのです。
買取方式のクレジットカード現金化も、古物商法に則って行われています。
なぜならば、現金化の利用者がクレジットカード決済で購入したものを買い取って転売しているからです。
買取方式のクレジットカード現金化では、新幹線の回数券、ヴィトンなどのブランド品、ゲームハードやタブレットなどの電化製品がよく利用されています。
しかし、現金化業者の中には悪質な業者や怪しい業者が多いのは先述の通りであり、そのような業者は避けるべきです。
買取方式の業者で悪質あるいは怪しい業者と言えば、古物商ではない疑いがある業者です。
古物商許可証を得ると、古物許可番号が与えられます。
そして、自社の公式サイトには古物許可番号を掲げて営業しなければなりませんし、店舗のある古物商であれば、店舗内の見える場所に古物商プレートを掲示しなければなりません。
古物許可番号とは、「東京都公安委員会許可 第○○○○○○○号」というものであり、古物許可を取っている現金化業者ならば、ホームページに必ず記載されているはずです。
また、古物商プレートとは縦8㎝・横16㎝の紺色に白文字のものであり、上部に古物許可番号として「東京都公安委員会許可 第○○○○○○○号」、
中心には取り扱う商品に応じて「○○○商(例えば機械工具商、美術品商、自転車商、道具商、時計・宝飾品商など)」と書かれており、下部には業者名や個人名が書かれているというものです。
これが店舗内に掲示されていない業者は、古物商許可を受けていない悪質業者である可能性があります。
古物商許可番号の確認が取れない業者は、避けた方が無難です。
営業形態からして古物商許可は必ず取らなければならないにもかかわらず、取っていないというのは大問題です。
なぜならば、そのような業者は古物商法に則った営業がなされておらず、だからこそ古物商許可を取ることができないため、古物許可番号を掲載していない可能性があるからです。
キャッシュバック方式と景品表示法
景品表示法とは、略して「景表法」と言われることが多い法律です。
キャッシュバック方式の業者は、利用者から商品を買い取るわけではないため、古物商法は適用されません。
しかし、キャッシュバック方式では、景品表示法という法律が関係してきます。
キャッシュバック方式とは、上記の通り現金化業者が販売する商品をクレジットカードで購入すると、キャッシュバック相当分の現金を振り込んでもらえるというものです。
例えば、10万円の利用は85%の換金率になるとしている業者ならば、8万5000円がキャッシュバックとして振り込まれます。
商品はオンラインショップで売られており、業者はクレジットカード決済を確認すればすぐに振り込みが可能であるため、キャッシュバック方式はネットで完結し、しかも現金化までのスピードが速いというメリットがあります。
さて、景品表示法とはどのような法律かと言えば、不当な景品によって消費者の不利益が生じることを防ぐための法律です。
例えば、商品を売りたいからといって嘘や誇大な宣伝を行うことを禁止する、特典として過大な金品の提供を禁止するというものです。
クレジットカード現金化では、後者が問題となります。
キャッシュバック方式の現金化業者が販売しているキャッシュバック特典付きの商品は、総じて粗末なものが多いものです。
これは、買取方式ではないゆえに換金性が低い商品で良いこと、また購入された商品は後日利用者に送らなければならないため、粗末なものでなければ業者の利益率が下がってしまうからです。
キャッシュバック特典の提供自体は問題ないことです。
例えば、家電量販店でも販促のために「最大80%キャッシュバック!」などとしていることがよくあることからも分かります。
キャッシュバックを設けた販売には問題がありません。
しかし、先ほども述べた通り、クレジットカード現金化の商品は粗末なものです。
家電量販店でそれなりのパソコンを買い、Wi-fiルーターも一緒に契約することによって90%キャッシュバックを受け取るなどというのはよく見かけます。
これは、パソコンとWi-fiルーターという相応の価値あるものに対してのキャッシュバックとなるため、問題は生じません。
しかし、クレジットカード現金化で10万円を現金化した時、決済した商品が非常に安っぽいアクセサリーであり、それに対して85%の還元を受け取ったならばどうでしょうか。
法律の解釈というものは、一般的な社会通念に照らし合わせて適用していくものですから、家電量販店のキャッシュバックは問題視されず、現金化業者のキャッシュバックが問題視される可能性が高いことは言うまでもありません。
だからこそ、クレジットカード現金化業者が景品表示法に抵触し、逮捕されたケースも実際にあるのです。
逮捕されるような業者は優良業者とは言えません。
しかし、実際には多くの現金化でこのようなことが行われており、そこが悩ましいところです。
《業者えらび》口コミ、換金率、スピードで比較
利用者と法律
買取方式では、古物商許可番号によって優良業者と悪質業者の判断ができると解説しました。
しかし、キャッシュバック方式では多くの業者が景品表示法に抵触している可能性があるため、優良業者の判断が難しいと言えます。
そのため、キャッシュバック方式の業者を選ぶ際には、その他の情報をチェックしていく必要があります(チェックポイントは他の記事で詳しく解説しています)。
そこで気になることは、法律違反になる現金化業者を利用した際、業者側だけではなく利用者側も罰せられるのかということです。
これは明確に結論するのは難しい問題ですが、ただ一つ確実に言えることは「法律違反ではあるが罰せられない可能性が極めて高い」ということです。
では、クレジットカード現金化を利用した人はどのような罪を犯したことになるのかといえば、「横領罪」と「詐欺罪」に当たります。
横領罪とは、自分に所有権がないものを売却したり、譲渡した場合に適用されるものです。
クレジットカードで商品を購入したとき、その商品の代金はクレジットカード会社が立て替えており、返済がすべて完了するまではクレジットカード会社に所有権があります。
クレジットカード現金化では、購入した商品をすぐに業者に売ってしまうのですから、横領罪になります。
次に詐欺罪ですが、これはお金をだまし取ることです。
クレジットカードを作る際には、利用規約においてクレジットカードを現金化に利用することが禁止さていることに合意しています。
つまり、利用規約を細かく読んでいるかどうかに関わらず、契約者はクレジットカード現金化をしないと約束しているわけです。
そのため、クレジットカード現金化を利用したとなれば、それは契約に違反していることになるばかりか、クレジットカード会社にお金を立て替えてもらって現金を得ていることになります。
つまり、クレジットカード会社を騙してお金を得ているので、詐欺罪になるのです。
とはいえ、実際に罪を問われる心配はありません。
なぜならば、利用者側も法律に反していることは間違いないのですが、実際にこれまでの歴史の中で逮捕されたのは業者側だけであり、利用者側が逮捕されたことは一切ないからです。
これはひとえに、悪いのはサービスの提供者であり、利用者は悪くないという認識があるからでしょう。
利用者に罪がないわけではないのですが、罪の比重を考えたときに業者側の罪が明らかに重いということです。
また、利用者は膨大な数に上るため取り締まりが非常に難しいというのも理由です。
その他、司法や警察からしてみても、業者側を取り締まって現金化業界の浄化を図った方が、はるかに効果が高いという判断があります。
このような理由から、クレジットカード現金化を利用したからと言って、利用者が逮捕されることは今後もないと考えられます。
ただし、今後クレジットカードの利用に関する法律が整備され、現金化を利用した人に対しての罰則が明確に定められることがあれば、クレジットカード現金化の利用者が逮捕されることもあるでしょうから、その点には注意を払っておきたいものです。