クレカの現金化は違法なのか?法律と利用規約から見る
最近話題に上ることが多くなってきたクレカ現金化。
まだまだグレーな部分が大きいだけに「ひょっとしたら違法なのではないか?」と危惧している人も多いことでしょう。
これは一概には言えないことで、違法になる場合と違法にはならない場合とがあります。
ここでは、それぞれの違いを見ていきましょう。
クレジットカード現金化の方法は二種類
クレカ現金化の方法には二種類の方法があります。
買い取り方式とキャッシュバック方式です。
買い取り方式には違法性があり、キャッシュバック方式には違法性がないのですが、これは両者がどのように現金を得るのかを見ていくと良くわかります。
買い取り方式
買い取り方式は以下のような手続きで現金化を行います。
2、それをリサイクルショップや金券ショップに持ち込んで売ることで現金を得る。
キャッシュバック方式
キャッシュバック方式は以下のような手続きで現金化を行います。
2、業者は消費者の希望する金額に応じて、キャッシュバックを受けられる商品を案内する。
3、消費者は案内にしたがって商品をカード決済で購入する。
4、キャッシュバックを受ける。
買い取り方式とキャッシュバック方式にはこのような違いがあります。
買い取り方式は買ったものを転売しているのに対し、キャッシュバック方式ではキャッシュバックを受けています。
どちらも最終的に現金を得ているのだから変わらないだろうと思うかもしれませんが、ここが大きな違いです。
クレジットカードで商品を購入したとき、代金をカード会社に完済するまではその商品の所有権はカード会社にあります。
すなわち、転売してしまうという行為は自分に所有権がないものを売ってしまう行為であり、これは横領罪に当たる行為です。
正直な換金率で運営をしているクレカ現金化業者
また、カードを作る時にはカード規約に同意したことを覚えていると思います。
よく読んでいない人が多いかと思いますが、あの規約の中には「現金化目的でカードを利用することは禁止する」ということが書かれています。
これに同意している以上、買い取り方式で転売してしまうことは利用規約を破ることになり、場合によっては詐欺罪に抵触する可能性があります。
しかし、キャッシュバック方式は安全です。
キャッシュバック方式は、購入した商品を転売するわけではなく、商品を購入したことへの特典として現金が還元されるものです。
ここでは、景表法という法律が関わってきます。
キャッシュバック方式と景表法
景表法とは、不当景品類及び不当表示防止法という法律です。
不当な景品や表示によって消費者に不利益が生じないために造られた法律であります。
これによって一般消費者の自主的かつ合理的な選択の邪魔になるような不当景品や表示が制限されています。
景表法に定められているものは、大きく分けて不当な表示の禁止と過大な景品類の提供の禁止の二つを定めています。
不当表示とされるものには「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他誤認される恐れのある表示」の3種類があります。
次に景品類にも「一般懸賞型」「共同懸賞型」「オープン懸賞型」「もれなく型」の4つがあります。
キャッシュバック方式の現金化は、このうち「もれなく型」に当たります。
「総付景品」と呼ばれることもあります。
これは、応募者の中から何人かに商品が与えられる懸賞ではなく、商品を購入したり、サービスを利用したり、来店したりした人に対してもれなく提供される景品です。
来店者全員にティッシュを配るようなものです。
もれなく型には定めがあり、取引額の10%以下でなければならないという定めがあります。例えば、10000円の取引をしたならば1000円までしか付与できないと言うものです。
ならばキャッシュバック方式で80%や90%の還元率で付与されているのは違法かと言うとそうではありません。
もれなく型には例外があり、キャッシュバックやポイントバックに関しては10%以下の規制を受けないとされているのです。
つまり、クレジットカード現金化のキャッシュバック方式とは
大手家電量販店で家電を購入したときに受けられるポイントバックや、携帯電話を他社から乗り換えた時にもらえる現金還元などと同じものと見なすことができ、違法となることはないのです。
違法ではないサービスは、もちろん利用したところで何ら違法ではありません。
買い取り方式は違法ですが、キャッシュバック方式は合法なのです。
逮捕された業者
ただし、キャッシュバック方式の業者の中でも、あまりにも低い還元率でサービスを行ったために逮捕されたケースがあります。
最初に逮捕者が出たのは2011年8月のことです。
警察庁の発表によると「現金化業者と言うのは名目上のことであり、事実上の金融業者と認定する」とされています。
これによって、貸金業法と出資法違反で逮捕されたのです。
これはどういうことかと言うと、ショッピング枠を現金化のために利用させる業者は、事実上の貸金業にほかならないことであり、金融業者であると認定されたと言うことです。
金融業者として認定されたからには、貸金業法に基づいて業者登録をしなければなりません。
もちろんこの業者は元々クレカ現金化業者として営業していたのですから登録しているはずはありません。
これがまず貸金業法違反となりました。
次に、貸金業者として認定を受けた以上は貸金業法にのっとった上限金利をこえてはいけないのです。
しかし、この業者の還元率を金利に換算した結果上限金利を大幅に越えていました。
これによって出資法違反にもなったのです。
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よく、現金化業者のホームページには安心感を与えるために「公安委員会の許可を受けている」という表示を行っていることがあります。
しかし、これは特に価値のない表示です。
なぜならば、公安委員会はあくまでも古物商の許可、つまり中古品の売買の許可を与えているだけであり、クレカ現金化を目的とした取引を許可しているわけではありません。
したがって、買い取り方式の現金化を行った業者も逮捕の対象となります。
ちなみにクレカ現金化業者の逮捕者は多いものです。
警察庁の発表を見てみると、2011年8月に初の逮捕者が出てからその後の半年間に、さらに5人を出資法違反と貸金業法違反で検挙したとしています。
これは、それだけ悪徳業者が多いと言う言い証拠でもあるので、クレカ現金化業者を選ぶ際には十分注意して選ぶ必要があるでしょう。