悪質業者からキャンセル料を請求された場合の対処法
クレジットカード現金化は、非常に便利な方法です。
優良業者を正しく使えば、便利に資金調達をすることができます。
しかし、業者の中には悪質業者があることも事実です。
悪質業者の中には、口舌巧みに利用を促して申し込ませ、申し込み後に悪い条件を提示し、利用者が拒否すればキャンセル料を請求するという業者もあります。
キャンセル料を請求された場合、利用者はどのように対処すべきなのでしょうか。
クレジットカード現金化の悪質業者
クレジットカード現金化は、近年広まりつつある資金調達の方法です。
本人名義のクレジットカードさえあれば、どのような属性の人でも(たとえ総量規制に引っかかる人でも)利用できる方法であること、入金までのスピードが速いこと、借金とは異なることなどから、気軽かつ便利に利用できる方法として、人気を集めています。
しかしながら、クレジットカード現金化にもいくつかのデメリットがあります。
デメリットの中でも一番大きなものは、悪質業者の存在です。
クレジットカード現金化については、いまだ法的整備がなされていません。
そのため、たとえ悪質業者が存在していたとしても、警察はなかなか取り締まることができないため、悪質業者の温床になっています。
もちろん、優良業者も確かに存在しますし、一部の悪質業者が業界全体のイメージを悪くしていることは言うまでもありません。
しかし、実際に悪質業者が存在しており、なおかつインターネット上で情報が錯綜しているため、利用者の中には悪質業者に引っかかってしまう人がおり、これが大きなデメリットになっているのです。
悪質業者の代表的な例は、換金率を誤魔化す詐欺を行うというものです。
ホームページに記載している換金率を信用して利用した人に対して、実際には様々な手数料を差し引くなどして、それ以下の換金率にするのです。
これによって、利用者は思っていたよりも少ない額しか受け取ることができません。
中には、実質的な換金率が60%台になってしまうこともあります。
このような物が代表的な手口ですが、中にはもっとあくどいことを行う業者もあります。
換金率の引き下げを図るまでは他の業者と変わりないのですが、契約後に初めて手数料などについて教え、それを聞いた利用者が利用を辞めたいと申し出ると、キャンセルするためにはキャンセル料が必要であると言ってくるのです。
そのように言われた利用者が頑なに拒むと、強い態度に出てくる業者もあり、利用者は泣く泣く利用することになってしまいます。
このようにキャンセル料を請求されたとき、利用者はそれを支払わなければならないのでしょうか。
それとも、何らかの対処法があるのでしょうか。
本稿では、それをお教えいたします。
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キャンセル料請求の手口
このような被害を回避するためには、まずクレジットカード現金化に関する基本的なことを押さえておく必要があるでしょう。
それは、クレジットカード現金化において、利用者から現金化業者にお金を振り込まなければならないというようなシーンは一切ないということです。
キャンセル料の請求に応じるということは、利用者から業者にお金を振り込むということですが、現金化ではお金を振り込むことが全くないため、キャンセル料を振り込むということもあり得ないことです。
これは、キャンセル料に限ったことではありません。
クレジットカード現金化の悪質業者の中には、利用者をうまく誘導して現金を振り込ませようとする業者もあります。
これは、もはや現金化業者というよりは振り込め詐欺業者と言った方が良いでしょう。
このような業者では、例えば「クレジットカードの現金化にあたって、初めに利用料として〇円をお支払いいただく必要がありますから、×××(口座番号)までお振り込みください」などと言い、振り込みを促すというものです。
この時、利用料の振り込みを拒否すると、「ならば、利用はキャンセルということでキャンセル料をお支払いください」と言ってくることもあります。
手口には様々ですが、何にせよ振り込め詐欺につなげたいという意図がうかがえます。
しかし、繰り返す通り、クレジットカード現金化において業者にお金を振り込むシーンは一切ありません。
利用手数料が必要となるとしても、それは現金化の際に利用額の中から差し引かれ、その差し引き後の現金が口座に振り込まれることになります。
つまり、利用者が業者に対して行わなければならないことと言えば、クレジットカードが本人のものであることを確認するための身分証明書の提出、現金化業者の指示に従ってのクレジットカード決済だけです。
振り込む必要はどこにもありません。
上記のことから、キャンセル料や利用料の振り込みを促された場合には、その時点でその業者が悪質業者であると断定することが可能となります。特に後者の業者には気を付けてください。
このような業者は、そもそも現金化自体を行なっていない単なる詐欺業者の可能性があるからです。
利用料の振り込みに応じなければキャンセル料を請求し、仕方なく利用料を振り込めば業者はトンズラしてしまうのです。
振り込んでしまう利用者の心理状態は、焦りと不安に責められています。
そもそも、利用者はクレジットカード現金化にどこか悪いイメージを持っており、そのような業者からキャンセル料の請求をされれば、拒否すると危ないと感じてしまうのです。
申し込みを行い、身分証明書を提出した後に請求されたならば、ヤバい業者にこちらの個人情報を握られているという恐怖感から、利用者はさらに不安になります。
そして、仕方なく振り込みに応じるか、キャンセルせずに利用するほかなくなります。
利用すれば、そもそも入金がされないか、かなり低い換金率を適用されるというわけです。
キャンセルを取り下げて利用してしまえば、もう取り返しはつきません。
振り込め詐欺であれば警察に相談することができるでしょうが、だからといってお金が返ってくるわけではありません。
非常に不利な換金率で利用した場合には、やっぱりやめたいと申し出たところで、もうどうにもなりません。
一旦クレジットカード決済をしてしまうと、決済を取り下げるかどうかは業者次第です。
行政による「利用者からの申し出があればキャンセルに応じるよう努力すべき」という方針はあるものの、あくまで方針であって義務ではないのです。
ですから、業者がキャンセルは不可能と言えば決済を取り下げることはできませんし、場合によっては取り下げるための手数料として、高額な料金を請求されてしまうことになります。
取り下げずに業者はお金を返さないか、もしくは取り下げる代わりに高額な料金を請求され、利用者は泣き寝入りとなるのです。
対処の方法
以上のことから、一つの重要なことが分かります。
それは、業者の話に付き合うとどんどん深みにはまっていくということです。
初めはキャンセル料を請求され、それを拒否して利用すると非常に低い換金率を適用され、それに抗議するとさらに高額の手数料を請求されるという流れです。
この流れを断ち切り、被害に遭わないようにするためには、業者を牽制しながら自分で流れを作っていく必要があります。
前提としての対処
業者に申し込みを行い、身分証明書を提出した後に利用料のことなど聞けば、不安になる人も多いと思います。
もし強引に交渉を辞めたとしても、個人情報を別の悪質業者に転売されるということにもなりかねません。
そうならないためには、安心して取引ができると確信を持てるまでは申込みを控えなければなりません。
つまり、悪質業者ではないと判断で来てから利用するということです。
悪質業者であるかどうかを判断する方法は他の記事に詳細に記していますが、まずはホームページの会社概要を見てみることです。
普通の業者ならば、記載されるべきことは全て記載されているはずです。
しかし、悪質業者は代表者名や住所を記載しておらず、会社概要が非常に簡素になっていることが珍しくありません。
代表者名の欄があったとしても、「田中」などと苗字だけ記載されていることもあります。
このような業者は悪質業者である可能性が極めて高いため、利用は避けましょう。
次に、ホームページから判断できる内容で悪質性が感じられなかった場合には、申込みの電話をかけてみます。
そして、申し込む前に必ず「換金率は〇%とありますが、最終的に受け取れる金額はいくらでしょうか」と聞いてみましょう。
そうすると、手数料が掛かるかどうかが分かります。
この時、「お申込みいただいてから審査を行いますので、現時点ではわかりません」など、曖昧な受け答えをする業者ならば利用してはいけません。
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キャンセル料の請求への対処
また、この時の会話内容は、可能ならば録音しておきましょう。
携帯の録音機能を使ってもいいでしょうし、テープレコーダーがあればそれでもかまいません。
録音の際には、その業者との会話であることを証拠づけるために、初めから録音して「はい、○○(業者名)です」と名乗る所から録音すべきです。
もし「はい」としか言わなければ、「○○(業者名)ですか?」と聞き、「そうです」との発言を録音しておきます。
かもちろん、会話が終わるまで全てを録音してください。
業者の中には、申込み前は手数料不要と言いながら、申し込み後に何かと理由を付けて手数料を取ろうとしたり、勝手に手数料を差し引いた金額を振り込む業者もあります。
このような業者は、申込み前に利用を避けることが難しいため、申し込んだ後に初めて手数料のことを聞かされることになります。
そして、そこでキャンセルしようとすると、キャンセル料を請求されるのです。
申し込み後に申込み前と違うことを言い出したとき、録音していれば有利になります。
「申込み前に○○と言っていましたよね?」と言えば、「言っていない」などと言うでしょうが、そこで録音していると伝えましょう。
振り込み後に手数料が差し引かれている場合も同様です。
業者に電話をして抗議すれば、「きちんと説明しましたよ?」などと言ってくるかもしれませんし、そうでないにしても必要な手数料であるとの一点張りで受け付けないということもあります。
この時にも録音していることを伝えるのが有効です。
業者に、録音していることを伝えましょう。
場合によっては、音源を聞かせることになるかもしれません。
そして、会社概要から業者情報は分かっているから、警察に被害届を出すとか、訴えると伝えましょう。
ほとんどの場合、業者の態度は豹変するはずです。
キャンセル料を取らずにキャンセルを受け入れてくれるでしょうし、全額が振り込まれていないならば、振り込まれることでしょう。
なぜ業者の態度が豹変するのかと言えば、負けると分かっている争いをしても、業者には何の得にもならないからです。
幾ばくかのお金をだまし取るために負けると分かっている争いをするほど、業者は馬鹿ではありません。
そんなことをするくらいならば、その場は穏便に済ませ、簡単にだまされる他の利用者をだました方がよいと判断するのです。
そのため、それまでは強い態度に出ていた業者も、簡単に折れてくれることでしょう。
「君子危うきに近寄らず」と言います。本当に大切なのは、前提としての対処をきちんと行うことによって、申し込む前に悪質業者を避けることが大切です。
そして、万が一判断ができずに利用してしまったならば、録音していることを武器にこちらも強い態度で接し、業者の鼻柱をへし折ってやれば良いのです。
往々にして、悪質業者というものは利用者の弱気を含んだ心理に付け込んで来るものです。
しかし、冷静に考えれば、利用者は何一つ悪くないということの方が多いことでしょう。
悪質業者に付け込まれそうになった時には、利用者も強気で接することが何より大切です。
そのことによって、業者が面倒だと感じたならば、何ら被害は受けることない決着がつくことが多いのです。