クレジットカード現金化は犯罪だけど捕まらない犯罪!?
クレジットカード現金化を利用することは犯罪であるとする意見もあり、一方で犯罪ではないとする意見もあります。
犯罪だけど捕まらないとする意見もあります。これらはどれがが正しいのでしょうか。
クレジットカード現金化は犯罪?
クレジットカード現金化に伴い、悪質業者の存在に注意すべきだとされています。
それらの業者は、異常に低い還元率でサービスを提供したことにより、主に出資法違反などに問われ、実際に逮捕されたケースも見られます。
この時、利用者が心配になるのは、自分たちも罪に問われてしまうのではないかということです。
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実際、クレジットカード現金化を解説した記事などを見ると、「クレジットカード現金化は犯罪です!」などとしている記事も見かけますし、共犯になるのではないかと思う人もいるでしょう。
では、クレジットカード現金化は犯罪に該当するのでしょうか。
犯罪ではないとする意見は間違い
クレジットカード現金化を推奨する情報サイトが増えてきていますが、そのようなサイトでは、クレジットカード現金化は犯罪ではないと断定していることがあります。
例えばあるサイトでは、
などと記載されています。
しかし、クレジットカード現金化は、厳密に言えば犯罪なのです。
それでも皆さんが利用することには何ら問題はありません。
これはどういうことなのでしょうか。
クレジットカード現金化は横領罪または詐欺罪
クレジットカード現金化は、厳密に解釈するならば、横領罪や詐欺罪に該当することになります。
その理由を見てみましょう。
横領罪
横領罪とは、自分に所有権がないものを自分のものとすることです。
例えば、会社のお金や備品に手を付けることは横領ですし、会社の備品を盗んで売ることで利益を得ることも横領です。
クレジットカード現金化の一種に「買取方式」というものがあります。
これは、クレジットカードで換金性の高いもの、例えばブランド品やゲーム機、金券などを購入し、売ることによって現金を得る方法です。
一昔前の、店舗型の現金化業者などでは、この方法で営業している業者ばかりでした。
しかし、最近のオンラインで営業している現金化業者にも、このタイプは存在しています。
例えば、クレジットカードでアマゾンギフトを購入し、それを業者に売る流れで現金化をしている業者があります。
買取方式の業者で現金化をすると、利用者は横領罪を犯したことになります。
なぜならば、クレジットカードで商品を購入した場合、ローンを完済するまでは所有権がクレジットカード会社のものだからです。
クレジットカード現金化では、ローンを完済しないうちから転売することになります。
つまり、所有権が利用者にはないにもかかわらず、それを転売して利益を得ているのですから、横領罪に該当するというわけです。
もっとも、業者指定の商品を購入して現金の還元を受ける「キャッシュバック方式」では、業者に商品を買い取ってもらうものではありませんから、横領罪に該当しません。
詐欺罪
しかし、キャッシュバック方式は、詐欺罪に該当します。
なぜならば、クレジットカード会社の利用規約では、クレジットカード現金化を禁止しているからです。
例えば、三井住友VISAカードの会員規約には、
と記載されています。
ここには、「現金化は犯罪です」とは書かれていませんが、「現金化をしてはいけません」と書かれており、契約の際にはこの利用規約に同意を求められています。
規約を読まずに同意している人も多いと思いますが、読んでいるものとみなされる規約には、現金化への利用が明らかに禁じられているのです。
したがって、クレジットカードを作り、手元にあるということは、この利用規約に同意しているということであり、「クレジットカードを現金化には利用しません」と約束しているのです。
そのような約束をしたにもかかわらず、クレジットカード現金化を利用しているということは、クレジットカード会社を騙してお金を立て替えてもらい、業者指定の商品を購入し、キャッシュバックを受け取ったということです。
クレジットカード会社のお金を、現金化業者を経由して受け取っているともみなせるわけで、これは詐欺罪に該当します。
以上のような理由から、クレジットカード現金化は犯罪になるとされています。
クレジットカード現金化は横領罪または詐欺罪に該当する行為だと知っておかなければなりません。
犯罪だが捕まらない
しかし、クレジットカード現金化を犯罪と見なすことができるものの、これまでクレジットカード現金化を利用したことで逮捕された人は、たったの一人もいません。
違法なのに逮捕されないといえば不思議な感じがしますが、そのようなことは世の中にいくらでもあります。
例えば先日、衆議院選挙がありましたが、選挙カーもかなり法律違反をしています。
筆者は学校の近所に住んでおり、選挙カーの音が聞こえているということは、学校にも間違いなく聞こえています。
学校や病院の近くは静穏を保持するべきであると公職選挙法に明記されているため、この候補者は違法行為をしていることになります。
しかし、これによって何らかの罰則を受けたという話は聞いたことがありません。
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ほかにも、浮浪の罪という罪もあります。
これは、働かず、住居もない人がうろつくことを取り締まるものですが、ホームレスが捕まるというのは聞いたことがありません。
行列割り込みも罪、公共の場でたんを吐いたり、小便をしたりするのも罪、浮浪者になって道端で小銭を恵んでもらおうとするのも罪、このように考えていくと、違法であっても取り締まりを受けないものはいくらでもあります。
なぜ取り締まりを受けないのかというと、現実的な問題として、全てのものを取り締まろうと知れば、警察官の数がとても足りませんし、拘留所などの数も全く足りなくなってしまいます。
また、それらを取り締まったからと言って、大きく社会が改善されることもないでしょう。
個人や地域の道徳・ルールなどに任せておけばどうにかなる問題でもありますから、極端な言い方をすれば、取り締まる意味がないのです。
もし、法律違反を犯すものは全て取り締まっていき、いざ大きな事件を防ぐことができなければ、「こんな小さなことを取り締まるより、もっとやるべきことがあるだろう!」と国民からは怨嗟の声が起こるでしょう。
税金で機能している警察組織にとって、それは本来あってはならないことです。
だからこそ、クレジットカード現金化を利用した人は、厳密に言えば横領罪や詐欺罪に該当するのですが、それを取り締まったところでクレジットカード現金化がなくなるわけではなく、効果は薄いでしょう。
クレジットカード現金化を利用している人は何千、何万人といるのに、その中の数人を捕まえたところで、現金化の利用者がいなくなるはずはないのです。
ならば、現金化は厳密に言えば利用も犯罪だけれども、それを利用することを罪に問うようなことはせず、より大きな問題となっている悪質業者を取り締まろうと考えるのです。
このような考え方から、利用者からは逮捕者が出ず、悪質業者からは逮捕者が出るという状況になっています。
また、現金化が横領罪や詐欺罪になったとき、クレジットカード会社は横領や詐欺による被害者になるわけですから、クレジットカード会社が訴えを起こせば、利用した人は罰せられるでしょう。
しかし、クレジットカード会社も訴えを起こすことはありません。
何千、何万という現金化の利用者に対し、数人だけ訴えても何の解決にもならないからです。
それよりも、現金化を利用しているとわかったときは、すぐにクレジットカードの利用を停止し、一括で返済を求め、早期に回収することを考えます。
したがって、訴えられて罰せられることはありませんが、カード利用停止・一括返済請求のリスクはあると考えておくべきでしょう。
まとめ
クレジットカード現金化を利用することは、厳密に言えば犯罪だといえます。
全く何も悪いことはしていない、完全に合法であるなどという考え方は間違いです。
しかし、それで捕まった人はいませんし、これからも捕まる人は出ないだろうと思います。
それらを罰したところで何の意味もないことから、逮捕者が出ることは基本的にはありません。
「疑わしきは罰せず」が基本ですから、逮捕のためには証拠をそろえる必要があります。
どこかから被害届が出るわけでもないし、それをやるだけの価値がある事案ではないのです。
したがって、
というのが正しい考え方だといえます。