利用規約はきちんと読んで!悪質業者の利用規約はひどい
クレジットカード現金化業者の中には、悪質業者が一定数存在します。
そのような業者の手口は様々ですが、そのなかの一つとして、利用規約で利用者に不利になる内容が盛り込まれていることがよくあります。
業者としては、利用者が利用規約を読まない傾向を把握しており、そのなかで明記することによってクレームを受け付けないようにしているのです。
本稿では、実際に存在する悪質業者の利用規約を見ながら、利用規約から悪質業者を判断する方法を解説していきます。
悪質業者と利用規約
クレジットカード現金化は、非常に手軽に利用できるサービスです。
なぜならば、消費者金融からお金を借りられない属性の人でも、本人名義のクレジットカードさえ持っていれば、誰でも利用することができるからです。
振込スピードも速く、インターネットからの利用が可能であるため、誰もが手軽に利用できます。
しかし、この手軽さには落とし穴もあります。手軽に利用できることで、気軽に利用してしまう人が悪質業者の被害に遭うケースが多いのです。
緊急でお金が必要なタイミングであれば、手軽であるに越したことはないのですが、手軽と気軽は違います。
きちんと調査をすれば悪質業者は避けることができますが、気軽に利用してしまうと、それに気付かず騙されてしまいます。
悪質業者による被害の中でも、よくあるのが換金率をごまかされるというものです。
業者ホームページに記載されている換金率を信じて利用したところ、かなり低い換金率を適用されてしまうのですが、どうしようもないケースもたくさんあります。
業者に抗議しても、業者は「利用規約読みましたか?書いてありますよね?」などと言ってくるのです。
そして利用規約を見てみると、換金率引き下げが詐欺ではないことを裏付けることができるものが、設けられているのです。
悪質業者において、このような利用規約による詐欺は少なくありません。
そのため、皆さんは利用規約をきちんと読んで、利用規約があやしいと感じたならば利用を避けるのが賢明です。
本稿では、典型的な悪質業者の利用規約を紹介します。
利用規約のそれぞれの項目のどこがおかしいのか、詐欺につながるのかを解説していきますので、ぜひ利用規約の見方を学んでもらえればと思います。
正直な換金率で運営をしているクレカ現金化業者
ある悪質業者の場合
ここで紹介するのは、アマゾンギフト現金化業者の「ア○○ェ○」です。
正式には「a○○C○○○○○」とアルファベット表記ですが、カタカナ表記もされています(○を使っての表記が煩わしいため、以下、業者A)。
業者Aは、クレジットカード現金化の方式でもまだ新しい、アマゾンギフトによる現金化を行っています。
アマゾンギフト現金化とは、クレジットカード決済で購入したアマゾンギフトを買い取ることで、現金化を行うというものです。
当サイトで提唱しているのは、「悪質業者は、ホームページから見抜きましょう」というものです。
電話対応や利用規約などを見ずとも、ホームページからの情報だけで、かなりの精度で見抜くことができます。
業者Aにしても、アマゾンギフトを買い取って転売することで利益を得ているという商売なのですから、古物商にあたります。
古物商を営む場合には古物商法にのっとった営業が求められ、公安委員会から古物商許可を得なければなりません。
許可とともに与えられた古物商許可番号は、店舗やホームページに記載する義務があり、義務違反となると罰則が適用されます。
しかし、業者Aは古物商を営んでいるにもかかわらず、古物商許可番号をホームページに記載していません。
通常、古物商許可番号を掲載することは、公安委員会からの承認を得ている証拠にもなるため、利用者に対して信用を担保するものです。
つまり、掲載しない理由はないのです。
したがって、それをあえて掲載していないということは、掲載できない、つまり許可を取っていない無許可営業店である可能性が高いといえます。
無営業は重罪であり、懲役刑が適用されるものです。
このことから、アマゾンギフト買取を行う現金化業者のうち、古物商許可番号を記載していない業者は悪質業者である可能性が極めて高く、したがって利用価値もないということができます。
アマゾンギフト現金化という業態はまだ新しいものであり、利用者側にも正しい知識がないことが多いため、やりたい放題の業者は多いものです。
私の調査でも、無許可営業と思われる業者は非常に多いものですし、古物商許可をとっていても悪質なことをしている業者もあります。
アマゾンギフト現金化業者事態が、利用価値のないものなのかもしれません。
しかし、気軽に利用したばかりに業者Aに騙された人はどうなってしまうのでしょうか。
私の調査では、15%の換金率を適用されたというケースを知っています。
被害者が業者Aに連絡をしても、電話番号が拒否されており、一切連絡が取れなくなってしまいました。
友人の電話から連絡してみると業者Aは対応したのですが、文句をつけると「利用規約を読まれましたか?利用規約に書いてありますので」の一点張りで、全く話が通じなかったそうです。
では、業者Aの利用規約はどのようなものなのでしょうか。
詳しく見ながら、逐一あげつらってみましょう。
悪質業者を利用規約で見抜く!
まず、利用規約の冒頭にはこうあります。
ア○○○ン(以下「当サイト」)について、本利用規約をよくお読みになり、その内容をご理解ご承諾の上、ご利用ください。
また、当社は予告なくサービス内容および本利用規約を変更する事ができるものとし、変更後は改定された利用規約を適用いたします。あらかじめご了承ください。
(中略)
本サイトで取扱う商品等の買取、及び各種サービス(以下「本サービス」)のご利用者様は、本利用規約に従うものとします。」
ここは、いたって普通です。
どのような企業でも、利用規約の冒頭はこのようなものです。
つまり、「利用規約に納得した人だけ利用してください」ということであり、利用したということは、利用規約に納得したとみなされてしまうことになります。
さて、悪質性を追求していきましょう。
「本サービスの内容」には、以下のように書かれています。
これも何らあやしそうには見えませんが、実は怪しいのです。
なぜならば、買い取り業者への転売は、通常未成年でもできるものだからです。
もちろん、未成年は保護者の許可のもとに買い取ることが条件となっていますから、業者側が保護者の署名を求めることはあります。
しかし、未成年だからすなわち利用できないというのは、非常に怪しいことです。
おそらく、未成年を利用させるには保護者の許可が条件となり、保護者の許可を受けた未成年の顧客に詐欺的行為を行った場合、保護者が出てきてトラブルになる可能性が高いからであると思われます。
これも、一見普通のことですが、悪質業者にとっては都合のよいことです。
なぜならば、約束と全然違う金額を振り込み、メールアドレスに通知すれば、それで業者の義務は完了するということだからです。
振り込み金額が少なければ、利用者は怒ります。
だからこそ、上述の被害者のように、業者は利用者の電話番号を着信拒否にすることで電話による衝突を防いでいるのです。
しかし、振り込んだ際に電話をすると、その電話中に(インターネットなどで)確認をしたならば、「金額が少ないじゃないか!」と利用者が起こることは目に見えています。
だからこそ、電話での衝突を避けるために、メールでの通知をすれば義務を果たしたことにしたいのです。
これは、現金化業者ならば当然のことです。
クレジットカードは本人しか利用してはならないものだからです。
本人確認をせずに利用を受け付けた場合、それが不正利用のクレジットカードなどであれば、警察沙汰になってしまいます。
業者Aのような悪質業者は、警察沙汰を嫌うのは当然のことですから、本人確認を徹底しているのです。
当サイトで勉強している人にとっては、「出たー!!」と思ってしまう規約ですね。
つまり、申し込んだ人が「やっぱり利用したくない」と申し出たとき、利用額の20%のキャンセル料が請求されるというものです。
たとえば、10万円分のアマゾンギフトで申し込んでキャンセルをした場合、2万円分のキャンセル料を支払えということです。
また、申し込んだギフト券コードを業者Aが確認したときにエラーが出たら、エラー手数料(いくらかは明記されていません)を差し引いた金額を振り込むとしています。
アマゾンギフトのコードは英文字と数字の複雑なものですが、1文字でも間違え、業者Aに手間をかけさせた場合には、エラー手数料を支払えということです。
このような無茶苦茶な要求があるか!と思ってしまいますが、業者Aレベルになると、こんな要求もあるのです。
これも、いったん買い取ったらもう文句は受け付けないということです。
また、この利用規約の文面のみを見ると、利用者から送った情報、つまりいろいろな個人情報に関する権利も業者Aが有するとも解釈できます。
業者Aの文章力がないのか、わざと不透明な書き方をしているのかわかりませんが、もし私の解釈が正しいならば、たとえば個人情報を他の悪質業者に転売してもよいということになります。
もちろん、個人情報保護法がありますから、いくら利用規約に書いているからと言って、そのようなことは許されません。
許されないことでも、利用規約に書けばセーフくらいに考えているのであれば、とんでもない悪質業者です。
この辺からがミソで、換金率詐欺の根拠になる部分です。
つまり、業者Aはホームページにおいて、Eメールタイプは95%、カードタイプは95%、印刷タイプは94%で買い取ると言っているのですが、利用規約でそれを否定しています。
この換金率は予告なく変更が可能であり、保証されているものではないのです。
したがって、換金率15%の金額しか振り込まなかったとしても、「予告なく変更した」と言うことができるのです。
これも、業者優位に取引するための布石です。特に、取引の変更する権利があるというのがあやしいですね。
この文章だけでは意図をくみ取ることは難しいですが、業者優位になるように設けられたものであると推測できます。
キャンセルは受け付けないというものです。
利用規約の第4項では、申し込んだあとにキャンセルをすると、キャンセル料の20%を請求するというものでした。
ここでは、申し込みからさらに手続きを進めて、ギフト番号を送った後は、キャンセルはできないというものです。
10万円の利用の際、申し込み後のキャンセルならばキャンセル料で2万円の売り上げになりますが、ギフトコードを伝えた後ならば、後述のとおり換金率は15%でよいのですから、儲けはもっと大きくなります。
だからこそ、その儲けを逃さないためにも、キャンセルを受け付けていないのです。
ギフトコードの確認が取れない場合や、利用者の申告内容に不一致がある場合は、業者は一切取引をしないということです。
このとき、キャンセル料の請求が行われるかどうかは明記されていませんが、申し込み後に内容の不一致が発見されて取引拒否にいたっているのですから、十分にキャンセル料を請求する理由になるといえます。
《業者えらび》口コミ、換金率、スピードで比較
ここで、核心的なことに触れています。
つまり、買い取り金額は額面の15%以上になるということであり、それも「当店が買取可能と判断させていただいた額面の15%」であり、「当店の判断」というものは恣意的なものですから、15%でもよいということになります。
15%と判断した根拠については、取引後に電話することができないのですから、聞くこともできません。
業者Aを利用すると、換金率が15%になる理由は、ここにあったのです。
これは、かなり厄介です。
クレジットカード決済や携帯決済で購入したものであれば、古物営業法に基づいて警察に通報すると言っていますが、もとよりクレジットカードや携帯決済で購入したアマゾンギフトを買い取ることを意識していることは言うまでもありません。
つまり、暗黙の了解のもとにクレジットカード決済で購入したものを買い取っているにも関わらず、ホームページ上でそれを明言していないところに問題があるのです。
この利用規約を盾にすれば、「クレジットカード決済で購入したのですか?利用規約第11項にある通り、そのようなアマゾンギフトは買い取れません。取引は中止になります。
申し込み後の取引中止となりますから、利用規約第4項により、キャンセル料として額面の20%をいただきます」ということもできるということです。
この項目による被害報告はありませんが、そのような被害に発展する可能性もある、かなり悪質なものです。
ホームページに記載している94~95%の換金率はあくまでも最大値と言っています。
第10項で15%以上と言っていますが、この項目で「換金率は15~95%ですよ」と言い直しているようなものです。
ここも、悪質性が非常に高い部分です。
なんとなくわかりにくいものですが、これは「アマゾンギフトを10口売ってくれたら、最大換金率の94~95%を適用します。
しかし、その中でも一番額面が低いアマゾンギフトにだけ最大換金率を適用します。それ以外は全部15%です」ということです。
つまり、ある人が最大換金率で利用したいと考え、5万円分のアマゾンギフトを10口と。
50万円分のアマゾンギフトを1口で申し込んだとします。
つまり、全体で100万円の申し込みです。
多くの人は、そうすれば全体に最大換金率が適用され、94万~95万円の現金化になると思うのですが、「一番額面の低いもの1枚のみを適用します」と書いていますから、5万円1口にのみ95%を適用し、他の9口の5万円と、1口の50万円にはそれぞれ15%の適用になるということです。
したがって、実際には
(50,000×0.95)+(50000×0.15×9)+(500,000×0.15)=47,500+67,500+75,000=19万円
となり、最終的に受け取れる金額はわずか19万円になります。
これは、全体の換金率で計算するとわずか19%にすぎません。
これは、キャンセルした後に再度買い取りはしませんということです。
これは、「ともかく、いかなる場合でも利用規約にかなり低い換金率になりますけど、まぁよろしくお願いします」ということです。
まとめ
いかがでしょうか。
悪質業者の利用規約を詳しく見ていくと、これほどまでに悪質性が高いということがわかるのです。
皆さんがクレジットカード現金化業者を利用する際にも、ホームページに怪しいところがなく、電話対応もそこそこだからといって、安心してはいけません。
必ず利用規約を読み、おかしいと感じた場合には利用を避けてください。